影のヒーローがいた!ずっと生き続けるものを残したい-砂の惑星DUNE-

今回は、水引ライナーを運営するmiconoの超個人的な趣味嗜好のブログです。
水引は出てきません笑 が、私がカッコイイ!と心が動くこと。

『砂の惑星DUNE』って
知ってる人いるかな・・

1984『デューン/砂の惑星』監督・脚本:デヴィッド・リンチ

ビデオ屋さんのSF映画の棚をお小遣いでじわじわと制覇し続けていた中学時代に、STING(元ポリスのメンバーの一人)が出てるー!と思って借りてみたDUNE。

当時はなんだかよくわからない映画で、STINGの登場も一瞬だったし、そこまで記憶にも残っていなかったんですが、あれから20数年ぶりにアマゾンプライムでこの映画にまつわるドキュメンタリー『ホドロフスキーのDUNE』を発見。

懐かしい〜と思いながら何か引っかかり見てみたら、DUNEの本当のストーリーを知り、私のSF映画史が塗り替えられました。

まさかこんなストーリーが歴史に埋もれていたなんて…

映画好きならぜひドキュメンタリーを観て欲しいのですが、簡単に言うと、結果的に1984年に世に出た-砂の惑星DUNE-と言う映画は、有名なデイビッド・リンチ監督のハリウッド映画としてですが、元々の構想を魂込めて温めていた本来監督をするはずであった人物がいました。

ホドロフスキーと言うなかなかにぶっ飛んだ人で、スターウォーズをも超え得たほどの壮大なSFストーリーの構想を実現間近のところで、ハリウッドにノーを突きつけられ製作中止を余儀なくされる。そして後になんと企画は結果的に奪われ、全く別な監督により意図せず映画化されてしまう・・私が昔観ていたのはその映画の方だったんです。

ドキュメンタリーの予告編は無料で観られます。

デイビッド・リンチ監督の方の胸の内は分からないけれど、少なくともホドロフスキーが映画に込めた圧倒的熱量からして相当にやるせない話なのですが、ドキュメンタリーを見ると清々しいほどに悲観的ではなく、一番私がうっ…となったのはその後のストーリー。

ホドロフスキーが世界中からこれぞという適役を探しだし(サルバドール・ダリも口説いてきていたらしい…!)丁寧に集めてきたアーティスト達による詳細まで完成された絵コンテやデザイン画などが大量に残されており、映画史に刻まれるような当時最先端のプロジェクトであっただろうことがまず伝わってきました。実際に今でも“映画史上最も有名な実現しなかった映画”と言われ、その境遇からカルト的なファンがいるようです。実現はできなかったものの、制作過程で生み出されたものはそれぞれのアーティスト達の中にしっかりと息づいていて、後のスターウォーズをはじめSF映画を代表するような、あの映画にも、あの映画にも、、数々の作品の中で、場所を変えその面影を色濃くにじませていく。

DUNEのオリジナルストーリーには救世主的な人物が出てきて、

「私を殺すことはもう手遅れだ、なぜなら、私を殺しても私の精神は全ての人の中で生き続けるからだ」

と言うようなくだりがあるんですが、まさにこの映画自体が現実にそうなっているんです。

実際に日の目をみること無く殺されてしまったかのような本当のDUNE。でもそれを構成していた人物や様々な要素が、その後のあらゆるSF映画の中で今も確実に生き続けているという…

企画に関わったアーティストたちも相当に落胆したようですが、後にそれぞれが関わる事になる映画の中で、DUNEで成仏できなかった魂をうまく変換して表現しているかのような。

DUNEの魂は確実に生き続けていた。

これを知って、私のSF映画史は塗り変えられました。表に出ているものだけではない、きっとあらゆる物事にこう言った日の目をみなかった影のヒーローみたいな方々がきっといるのでしょうね。

このホドロフスキーさんがまた、ドキュメンタリー撮影時84歳とは思えぬ情熱あるカッコイイじいちゃんで、今にも再び映画を作り出すんじゃないかってくらいの勢い。現在は91歳!相当なショックであったろうに全て受け入れているような精神力の強さを感じさせられました。

映画のスタッフを集めていた当時、特撮を任せる人物として2001年宇宙の旅などを担当した特撮の第一人者ダグラス・トランブルを訪ねたそうですが、彼の振る舞いを見抜いて、技術はあっても精神性に欠けると天下のダグラス・トランブルをその場で却下したそうで、おおおおと唸りました…。

私もちょうど、重要なパートナーというのは、技術ももちろん必要なんだけど、それよりも精神性や想いを共有できるかどうかの方が遥かに大事だとつくづく思うようになり、再確認しました。そういう方と出会えるように、自分自身もそうありたいものです。

ドキュメンタリーを見ると改めて、当時のハリウッドはまだ彼に追いつけていなかったのかもしれないと思えます。先を行く人の考える事が理解されず叩かれてしまうような事って、現代でも多々ありますよね。「12時間の映画を作りたいんだ」と言っていたそうで、そりゃすんなりOK出ないかとも思いますが笑…シリーズにしたら、まさにスターウォーズ級のスペクタクル。

とにかく、ホドロフスキーさんがご健在のうちにこのドキュメンタリーが作られ、出会うことができてよかったです。

当時制作された、細部まで事細かに描写された絵コンテやデザイン画は今も公開されていて、ドキュメンタリーの中でも積極的に見せてくれてますが、「これを作りたい奴がいるなら、私が死んでからでも作ればいい」と言っている!誰か…!!私が生きている間には観れる時が来るだろうか。。

絵コンテ https://eiga-review.me/dune/

と、思っていたら!

今日、発見しちゃったんです・・

なんと!『ブレードランナー 2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督により映画化と!!

ただ、ホドロフスキーの構想を忠実に受け継いでいる訳ではなく、もちろん敬意は払われていてもドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画。予告編を観たホドロフスキー自身「よく出来ているが、構造が他の商業映画と一緒で、社会に影響を与えるような衝撃はない」というようなコメントから、やはり一筋縄ではいかないんだなと…。

このご時世で公開延期中なのですが、現時点2021年10月1日に公開予定。

好きだったSF映画もVFX(ビジュアルエフェクツ)がいくところまでいってしまってからあまり興味が向かなくなっていたのですが、DUNEはこの公開延期中にフランク・ハーバートさんの原作も改めて読んで、やはり観てみたい。

昔は映画のビジュアルばかり追い求めてましたが、この混迷の時代に公開される運びとなったストーリーの方に今は興味があって。原作はかなり難解でSF神話などと言われていますが…そういうものも味わえる大人になりたいと思うこの頃です。

原作は、新訳版が上・中・下でてます。

私もいづれこの世を去るものとして、社会や誰かの中にずっと生き続けていくようなものを残せたらいいな。

運営しているオンラインコミュニティ水引ライナーLabも、私がいなくなっても続いていくような何かを息づかせていきたい。
いざというときはメンバーのみんな、よろしく…!笑