松結び(マツムスビ)Vol.2

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むすび百科事典-MUSUPEDIA-

水引ライナーLabメンバーの集合知で制作する水引に特化したむすび百科事典。一つのデータを鵜呑みにせず、煩雑な情報を皆様の代わりにひろく試し、最も「美しく」「妥当な」水引結びを整理・再構築しています。

解説

水引飾りには欠かせない、お祝い事のシンボルである松竹梅の一つ。松結びと名のつく結びは多く存在するが、今号では松結びVol.1に続き、古典的な松結びを再び取り扱う。今号では老いの波(水引を専用の器具でくるくると巻くこと)をかけて仕上げており、その解説も動画で行う。

松結びVol.1でも書いたが、この結びでいう「松」は、盆栽や日本庭園などに見られる手入れがされた老松の姿を表していると思われ、能楽の舞台など古くから日本で描かれてきた象徴的な松の形である。よって日本人には馴染み深いが、海外では一般的に「松」からは連想されにくい形のようである。

①松結び(基本形)

結びの構造は通常のあわじ結びに少し手を加えただけだが、大きな輪を作るために水引が固定されにくく、ズレないようしっかりと抑えながら結ぶことが必要。老いの波をかける際にも水引が引っ張られズレやすいので注意を要する。

ちなみに、あわじ結びでなく「抜きあわじ結び」からも似通った結びを結ぶことができる。結ぶ途中はやはりズレやすいが、こちらはしっかり絡んで固定される構造なので結んでしまえば安定する。厳密には中心のあわじ結び部分と結び終わりの交差の仕方が違うが、見た目の印象にあまり大差なく用途により使い分けて良いだろう。

左:抜きあわじ結び 右:あわじ結び

上記「抜きあわじ結び」で結ぶタイプも含めると、他の名で呼ばれる結びにも比率や装飾が少し違うだけの似通ったものが見られ(鈴結び、蝶結び等…)、わりとよく使われる基本の型である。

②変幻自在な松結び

類まれな変幻自在性を持ちながらほとんど知られていない結びで、様々なものに活用できる可能性を秘めている。絞り具合や比率を変える等により形状を変化させ、アレンジの幅を利かせやすい。

高難易度の為、結ぶ手順を覚えるまではしばらく1本での練習をオススメする。本数を増やすほど余裕を持った長さが必要で、5本どりは90cmでちょうどいい。

変形の一例

同じ結び方で、これほど印象を変えられる結びは他になかなかない。松結び Vol.1①松結び(基本形)も変形しやすい部類だがそれ以上である。

老いの波をかけて仕上げる場合は90cmでギリギリの為、結び終わりの左右の長さが均等に残るよう意識しながら結ぶことが必要。

英表記

Japanese pine tree knot

Pine tree knot
の表記も見受けられるが、日本特有の松という意味でJapanese を加えた

活用例

まだあまり利用されていない結びで活用例がなく、ぜひこの記事を元に創作をしてみてほしい。その際は、 #水引ライナー  #むすび百科事典  #musupedia (ハッシュタグ)等をつけると探すことができ、他の方の作品も見れるのでぜひご活用を。

詳しい解説動画

水引毬飾り大全のFacebook非公開グループ内で行ったライブ配信の収録版です。
・複数の老いの波を同じ方向に揃えて巻くコツ
・老いの波を左右対象に巻くには
・全て5本どりで実演解説!
・あわじ結びをゆるく結ぶ際のポイント
・複雑な構造の結びを整える
手順
等を実際に結びながら詳しく解説しています。

※水引毬飾り大全で基礎を学んでいる方向け解説の為、はじめて水引に触れる方はYouTube無料オンライン水引結び講座<基礎編>も受講いただくとより理解がしやすいです。

動画はnoteのマガジン内でシェア公開しております。毎月、新しい水引結びがコーヒー1杯分のお値段で専門的に学べる大変お得なマガジンです、ぜひお試しくださいませ!

参考文献

手工芸入門 伝統の水引手芸
中出京子(著)主婦の友社 (1975/1/1),155ページ

水引折形作品集 ー温故彩飾ー 伝統の中から彩りを楽しむ
髙田 雪洋 (著),世界文化社 (2019/4/10),103ページ

その他、水引関連書籍
詳しい書籍の一覧は、こちらをご参照下さい

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