みんなで作る
むすび百科事典-MUSUPEDIA-
水引ライナーLabが制作する水引に特化したむすび百科事典。
解説
数ある水引の結び方の中で基本の結びとも言える梅結び。日本古来の縁起物「松竹梅」から、梅結びは縁起のよい結びとして、結納・祝儀袋などお祝い事に多く用いられる。Vol.2では抜きあわじ結びから始まる梅結びを紹介する。
梅結びには『固く結ばれた絆』『魔除け』『運命向上』の3つの意味が込められており、とても人気のある結びである。梅が縁起がよいとされる所以は、中国で好まれる画題の一つ『歳寒三友』からと言われている。寒い季節に先駆けて花を咲かせる梅に潔さや開運などの意味を持たせた、というものである。
この梅結びには多くの結び方が存在する為、3回に分けお届けしている。
・あわじ結びから始まる梅結び(前号)
・抜きあわじ結びから始まる梅結び(今号)
・かけ結びで作る梅結び(次号)
結びの基本パターン
平梅結び
抜きあわじ結びから始まる梅結びの内、書籍や動画などで一番よく見かけ、また用途も多いのがこの「平梅結び」である。「椿結び」「抜き梅結び」との呼び方もある。
抜きあわじ結びは水引がバラバラになりやすいので、動画を参考に、押さえる場所や手の運びを注意して結ぶと良い。
【貴重】希有な梅結び/オリジナル手順
この梅結びは書籍でもほとんど紹介されていない貴重なもの。数少ない書籍で見られる手順では本数が増えた際に結びにくい為、ビギナーさんでも結び易いよう水引ライナーが独自に再構築したオリジナルの手順で紹介する。
なお、書籍で見られる元々の結び方も、最後の詳しいライブ解説動画にて実演し、オリジナルと比較できるようにしているので併せて見ていただきたい。
【古典】梅結び(表)
しべが印象的な「梅結び(表)」。陰陽五行では表=陽=男性を意味しており、端午の節句など男子へのお祝い事に使われていた。この結びに表現されるしべは、男性=雄しべと想像できるが、雌しべとの説もある。
しべ部分の処理を変えると雰囲気もがらりと変わる。右側のチリ棒で巻いた方はより華やかな仕上がりになる。
【古典】梅結び(裏)
上記の梅結び(表)と対をなす「梅結び(裏)」は、陰陽五行では裏=陰=女性を意味しており、桃の節句など女子へのお祝い事に用いられていた。
【古典】梅結び(表・裏)に関する水引ライナーLab的考察
③④の【古典】梅結びは、表と裏の呼び方が逆になる説もある。はてさて、どちらが正しいのか?結論を言えば「どっちもあり」である。
水引ライナーLab内でも様々な意見が交わされた。「③はどうみてもおしべなので裏だ」「③が表で間違いない(これをめしべと捉える)のなら④は花の裏(ガク)を表しているのではないか」「③のしべはおしべだから裏で、④の中央がめしべで表なのだ」などなど。
現実の梅の花と水引の梅結びを見比べて、表裏の定義と照らし合わすと矛盾が生じる。けれども水引の結びはそもそも現物を忠実に再現しているものではない。イメージやニュアンスの具現化、現物のエッセンスのデフォルメ化。要は曖昧で白黒つかない世界なのだ。結び方が生まれた時代、その時代の人々の感性、継ぎ足されていく結び、その移り変わりをそのままに、受け取ればよいと思われる。また、地域や流派による解釈の違いもある。今回かなりリサーチを重ねた結果、水引ライナーLabとしては、ぱっと見が一番梅の花らしい③を梅結び(表)とすることとした。
英表記
plum flower knot
plum knot
flower knot
plum blossom knot などもある
詳しい解説動画
コミュニティでのライブ配信にて
・これさえ知っていればあらゆる結びが解読可能!「3つのパターン」
・古典梅結び(表)と(裏)の結び実演!
・どこにも載っていない古典梅結び(表)の裏面公開!しべの作り方
・全く別な結びのよう!希有な梅結び2パターンの結び方実演
・あらゆる結びをととのえる時の、鉄則の順番
・チリ棒でのアレンジ方法
等を詳しく解説しています。
収録動画はnoteでも公開しております。
Special thanks :水引ライナーLabメンバー